黒神話:悟空 Black Myth: Wukong レビュー

3.5
黒神話 梧空 ゲームレビュー

総評 3.8

クリアタイム 52時間
発売当初購入してプレイを始めたのですが、あまりやる気がでずに積みゲー化していました。
最近新しくグラボを交換したこともあり、プレイ再開することにしました。
個人的には中国産RPGは初プレイ、今作は自分が好きな死にゲージャンルのため、少し辛口なレビューになりました。

ストーリーはお馴染み「西遊記」

中国には「四大名著」と呼ばれる文学作品があり、「西遊記」はそのうちの一つだそうです。日本でもドラマ化されたりして有名ですよね。
しかし中国ではとても大切な物語のようで、特に1986年版テレビドラマが有名だそうです。中国ではいまだに旧正月などで再放送されるほど人気みたい。
今作「黒神話:悟空」は開発元「Game Science(游戏科学)」が、1986年版ドラマへのオマージュを込めていることを公言しています。「この作品を愛して育った中国人なら、必ず何かしら感じるはず」と。
そのため、ドラマを見ているからこそニヤリとできるような場面や、ドラマで使われたような演出や効果音も使われているそうです。
というわけで、中国の方は我々外国人に比べ何倍もこのゲームを楽しむことが出来るのようです。自分は日本のドラマすら見たことが無かったので、お話自体知らなかったですね。(ドラゴンボール程度の知識しかない💦)コレを期に一度見てみたいです。

難易度は?

個人的には「仁王」と同じぐらいかなと感じました。盾やガードは無く回避で交わしながら隙を見て攻撃していくタイプの戦闘ですが、スキルをうまく使っていくことがポイントですね。
しかしながら自分はけっこうボス戦で苦戦しました。

探索要素が少なくボス多め

マップを少し進んだらボスという感じでマップもほぼ一本道ですね。個人的には探索が好きなので、ここは残念な部分でした。中ボスを含めてボス戦が多い印象です。

打撃音がしょぼい

個人的には一番言いたい部分です。通常攻撃の音が小さくてショボいので実際に打撃を当てている感じがしないのです。相手にダメージが入っている感じがあまりしないので、戦っていて気持ちよくないんですよね。
なんか「コツコツコツ」って言う感じで、物足りないのでここは減点対象です。
もう少しコントローラーの振動も踏まえて、戦っている感じを味わいたかったですね。

PC版はかなりのスペックが必要です

※川の部分のグラフィックが四角形に抜けているのが見えると思います。こんな感じで設定を上げてしまうとグラフィックの描写がおかしくなってしまいます。

自分のPC環境
グラボ:RTX4070ti super(VRAM16GB)
CPU:intel core i7-13700
メモリ:36GB

ゲーム内設定 
グラフィック:全て「超高」(※上から2番目の設定です。)
FPS:上限60
解像度:WQHD(1440p)(※モニター144HZ対応)
レイトレーシング:OFF

この設定でまぁまぁ安定して遊べる感じですが、スキルを出すときたまにカクつきます。
最初は120FPSの設定で遊んでみましたが、テクスチャーが上手く表示されなかったり、カクつきは頻繁で、クラッシュしたこともありました。

グラフィックがかなりキレイ

自分の環境に適した設定をするのに時間かかりますが、グラフィックは本当にキレイです。
少し水の表現に違和感はありますが、岩や地面のテクスチャーなどはかなり繊細に作られています。
キャラクターの髪の毛や動物キャラの毛もかなり自然です。

章ごとのアニメーションが良かった

テキスト無しの音と映像のみで理解できるアニメになっており、ストーリーを補完するような内容になっていて、なんか個人的にはこれ見るの好きでしたね、わかりやすかったです。
回想で何度でも見返すこともできます。

武器種が1種類しかないのは残念

武器種は「棒」のみ。「棒」の種類がいくつかあり、強化したりして使っていくのですが、武器種が変わらないと戦闘スタイルも変わらないので、別の武器種も欲しかったなと思います。
中国が開発したゲームなので、中華っぽい武器がもっとたくさんあったら面白かったのになぁと感じました。
あと飛び道具もないです。弓とか魔法など遠距離の攻撃手段は欲しかったですね、なので1体ずつエネミーをつって個々に戦う手段はとれないのです。

ロードが長い

ゲーム開始やファストトラベルなどのロード時間がけっこう長いです。
PS5ではあまりロードについての不満は確認できなかったので、PC版の最適化不足かもしれません。
M.2 SSDでも遅いのはちょっと不満ですね。

マップの境界線が分かりにくい

どこまでも景色が続いているため行けると思って進むと透明の壁が...。
どのゲームでもありうることですが、このゲームの場合はこれがすべてのマップに存在するので、けっこうストレスですね。ゲーマーなら誰しも、行けるところ全部行きたいから端の方まで確認してしまうんですよね。

トロフィーが分かりにくい

トロフィーって多くのゲームが、「○○を討伐した証」とか「○○をすべて集めた」などと何をして獲得したトロフィーなのか分かるものが多いのですが、今作は「盗人死さず、聖人止まらず」、「太っちょ坊主、饒舌にて負く」などと書かれているため、何をして獲得したトロフィーなのか全く分かりません。
トロフィーって個人的にはけっこう達成感あるんですよね。だから読んでも意味が分からないのは困ります。

苦戦したボス

2章ラスボス「黄風体聖」

苦戦した方が多いみたいですね。自分は最初に苦戦したボスがコイツでした。
竜巻みたいな技で範囲外に逃げたりして厄介なんですよね。
ポイントは「ごり押し禁止」ですね、このゲームの基本をレクチャーしてもらえる先生といったところでしょうか。SEKIROの「葦名弦一郎」みたいな

5章ラスボス「夜叉王」

コンボ技を見切るまで何度もやられました。
ただコンボ技さえ見切ることができれば行けると思いました。どのボスもそうですが、ディレイがきついですね。

6章ラスボス「孫悟空」

単純に強かったですね。技をとめどなく出してくるので攻撃するスキが少ないです。
ポイントは大技はすべて回避することと、こちらの攻撃はコンボやため技を狙うことなくコツコツ当てていくことだと思いました。
高難易度のボスはやっぱり倒したときの達成感が半端ないですね。

まとめ

ゲーム自体は楽しめました。操作性は良く、UIなどシステム面でのストレスがなかったのは高評価だと思いました。個人的には打撃音がいまいちでしたね、地味ですが打撃音って結構重要だなと感じました。

また冒頭でも話しましたが、「西遊記」の物語は中国にとって非常に重要で大切な物語のため、ストーリーや登場人物、セリフや梧空のしぐさなど中国で放送された1986年版ドラマをもとに作られており、このドラマを観てからプレイすれば評価はかなり違ってくるとも感じました。
気になる部分は多々ありましたが、プレイして良かったと思います。今後も中国産ゲームが楽しみになってきました。